気が付きましたか?
上の有名絵画はすべて、 元の絵にムダ毛が描かれているものはそれを消し、 逆に描かれていないものには描き加えてあります。 絵画のなかに描かれた人物のムダ毛に注目して絵画を鑑賞したことはありますか?芸術作品にはしばしば作者の理想とする美しさが描かれます。その時代・場所の人々がどのような価値観を持って生活していたか、文化が垣間見えます。 ほとんどの西洋絵画には現在日本で「ムダ毛」と呼ばれているような脇毛は描かれていません。海外ではかなり昔から体毛は無い方が美しいと言われてきたからです。 一方で日本の浮世絵には、ムダ毛が描かれているものと描かれていないものがあります。浮世絵が描かれた江戸時代の女性の間で脇毛を処理することはそこまで一般的ではなかったようです。
整えるという解決策
国や文化によって違いがありますが、現代の日本では女性はムダ毛処理をしてある肌が美しいとされており、義務に近い現状があります。ほとんどの人がなぜ処理をしなければならないのかと考えることも無くそれが"常識"だから、大変なムダ毛処理をしています。 特に女性に脇毛が生えていると、「清潔感が無い」と言われます。では清潔感さえあれば、生やしていても違和感はないのではないか。例えば髪の毛が手入れされておらず、伸ばしっぱなしだったら不潔だと感じるように、脇毛も生やしっぱなしにしているから不潔に感じるのではないか。それならば脇毛も整えれば良い。 整えるとは、 清潔感があると感じられるような状態にすること・道具を用いて揃えること であると考えます。この場合実際に清潔であるかよりも清潔そうに 見えることがポイントです。今は無くすか生やすかしか無い脇毛に整えるという選択肢を増やすことで、エチケットとして清潔感を保ちつつ生やすことができます。
ポスターの制作
近年電車内の広告で脱毛サロンの広告をいくつも見かけます。普段電車に乗る人ならよく目につくかと思います。 「そのつり革ノースリーブでつかめますか?」「ムダ毛に悩まないツルツル美肌に」「ワキが甘い人は、たぶん全身甘い。」、脱毛サロンの広告は どれもムダ毛を否定するものばかりで、まるでムダ毛は汚いものだと洗脳されているような違和感を感じます。 そこで、「もし大手脱毛サロン『ミュゼ』が、毛を整えるサービスを新しく始めたら」を想定して、ミュゼプラチナムのブランディング広告を制作しました。 多様化するこれからの時代、世間から押し付けられた美的価値感に囚わ れず自分の身体の美しさは自分で決めていこう、ムダ毛(とりわけ脇毛) は生やしてもいいし、無くしてもいい、エチケットとして整えるという 選択肢も新しくとり入れていこう、というメッセージと共に絵画のなかで描かれた姿とはそれぞれ違う選択をし、脇毛を無くしたり生やしたり整えようとする有名絵画の美女達をアイコンとして用いました。 一人一人が自分の身体に合わせて自分の体毛をどうするのか選 ぶことができる世の中が 理想的です。